ガガガ版初の新作長編
エリダナは憎悪と殺意で沸騰していた。職を奪われ貧困に喘ぐ労働者たちが、折悪しくこの町に立ち寄った世界経済を動かす投資家ダリオネートに怒りを爆発させ、暴動、テロが頻発していたのだ。ある夜の路上、ジヴーニャは、瀕死の男から緑色の宝石が嵌る指輪を託される。「ウォルロットという男にこれを渡してくれ」と。直後、男は人ならぬ殺人者に惨殺され、指輪を預かってしまったジヴーニャはその殺人者〈古き巨人〉から命を狙われることに。そして、絶体絶命の瞬間に彼女を救いに現れたのは、北方の国ピエゾの勇者と謳われた攻性咒式士、ウォルロットだった。