釿刄理適真王劔(プー・ウル・ソーン)

鋼成系の基本たる金属の操作を、極限まで推しすすめた咒式

金属の理論強度に対し、実測強度は十分の一から百分の一しかない。鉄の理論強度は一〇・五ギガパスカルルだが、実際には〇・三五程度。比較的理論強度に近いタングステンですら、一九・七ギガパスカルルに対し三・五程度にしか達しえない。金属にある亀裂型欠陥や結晶格子欠陥というものをなくすことはできないからだ。だが、不純物の混入や、化学的に活性な環境での原子間結合の弱体化、原子や分子の熱振動をすべて排除することが可能であれば、理論強度を出せる。チタン、パナジウム、クロム、錫、アルミニウムのβ型の体心立体格子結晶たる高力チタン合金で咒式生成された武具は、まさに地上最高強度を持ち、あらゆる攻撃を跳ね返すことが出来る。