邪瞳大六天曼荼羅(オシリス・イシス)

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超連結五次元壺宙界の瞳で強化した咒式。
六次元の超多様体を生みだす。
体積がおよそ八倍、直径四〇メルトルほどで、赤や青、黄色や橙色、緑に紫と明滅する、裏返り脈動する星のような空間。

我々は振動を起こす十次元空間の超弦や十一次元の膜に交差する地点に、閉じこめられているとされる。
十一次元のうち、六つか七つの余剰次元は環となって丸まるが、観測可能である限界の長さよりも小さい十の負の三十三乗センチメルトルほどになるために、感知することができない空間が形成されている。
この超多様体に特定の操作を加えると、生まれた新しい空間が持つ偶数次元の穴の数が、元の空間の奇数次元の穴の数と等しくなる。
通常は見えず、なんの影響も持たない六次元の超多様体だが、超長期的にはこの宇宙は通常の四次元から、十次元へと変化すると予想されている。
おそらくは量子学的に、触れた物体を最低の熱量へと突き落としていく事象を、咒式で急激に起こすと思われる。

つまり原理も結果もよくわからない。

表面に次々と人面が生成されては消えていく。
超連結五次元壺によって消えたカンザールの十五万人が六次元の余剰次元に強引に翻訳されて取りこまれているのかもしれない。